女子DEATHヒーロー

「2人仲いいね」
「「は?」」

 思わずハモってしまった。
 
「手、繋いでる」

 忘れてた。慌てて離そうとしたら、央太にもっと強く手を握られた。

 ……ホワイ?なぜ?

 央太の顔をのぞき込むと、思い詰めたよいな険しいような顔。
 ヤバい、央太が何したいのか分からない。
「央太?」
 あたしが声をかけると、央太は驚いたようにこっちを見てから繋いだ手をみた。
 そして、慌てて凄い勢いで手を離した。あたしの手、はたかれたんですけど。

「べっ、べべべべつに、手、つつつなぃっ」
 落ち着け、央太!って思いを込めて背中を叩くと、央太はハッとしたようにあたしを見た。

「……なーにテンパってんの、央太」
「わりぃ」

 顔を赤らめてふぃっと顔をそらす央太。ちょっと可愛かった。
 まぁ、央太は犬だし可愛い姿もあるか。

「央太君、ウブだねー」
「これは佐々木に同意する」
「……」

 怒るとやっかいだからなぁ……これくらいにしとこ。佐々木に止めよう合図を目で送ると、親指を立てて満面の笑顔で頷いた。

 初めて意思疎通が出来た気がする。


「チェリーボーイ央太君?」
「アホか!!」
 あたしは佐々木の頭を力の限り殴った。
 通じる訳ないか。通じる訳ないよね!会話でも通じないんだからさ!

 ちょっと感動したあたしがバカみたい。
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