この手を離さない
次の日―――。


コンビニの帰りいつもと同じ道を通った。


昨日のことが頭から離れない。


車をゆっくり走らせ、歩道にいる人を注意して見ていた。


またいるんじゃないかと思いながら。


でも、こんな夜中に人は全然いなくて、


そう簡単に会えるわけないかと


自分でも何考えてるんだろうと思ってたら―――。


「あ…」


誰かいる。


車を左に寄せ止めた。


暗くてあまり良く見えなかった。


車のライトをハイライトに切り替えよーく見る。


そこにいたのは。


間違いなくあの日の彼女。


なんで?


どうしてここに?


鈍い俺は


何故そこに彼女が居るのか分からずにいた。


とりあえず車を降り、彼女の元へと行ってみた。


「………」


「………」


彼女の前に来たけど、


どう話していいかわからず


お互い沈黙してしまった。
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