この手を離さない
「もしかして、昨日もこうして待ってた?」


もしやと思って聞いてみた。


でも彼女は下を向いたまま無言。


その様子を見て、さすがに鈍い俺でも大体の想像はついた。


「来る?」


「えっ?」


下を向いてた彼女が顔を上げた。


「猫に会いたくて俺を待ってたんだろ?いいよ、会わせてやるよ」


「ありがとうございます!」


彼女の表情が明るくなった。


それを見て俺の心も暖かくなった。
< 20 / 75 >

この作品をシェア

pagetop