この手を離さない
来る時は俺と自分の親に連絡をしてから来ること。


無茶な行動はしないこと。


これが俺からの条件。


「どう?それが嫌なら今日で会うのは最後にする。」


彼女は黙って下を向き考えた。


暫く沈黙が続いた。


数分後――。


ゆっくりと顔を上げ真っ直ぐ俺を見た。


「わかりました。それでも構いません。」


「じゃぁ次からは約束を守れよ。」


「はい」


また笑顔を見せた。


吸い込まれそうで、


思わず顔を反らしてしまった。
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