この手を離さない
それから俺の一方的な提案で猫の名前が決まった。


「変です…」


猫を抱き上げ鼻と鼻を付けながら話す真白。


「どうして?俺は気に入った。」


「だってシロって…。この子、黒猫ですよ?」


「いいんだよ、シロで。」


真白からシロを奪い優しく抱く。


「お前は今日からシロだぞ」


「ミャーッ」


コイツもこの名前を気に入ったように鳴いた。


真白は少し不満げな顔を見せてたけど、


俺は君の『真白』という名前を


初めて聞いて気に入った


だからその一文字をもらっただけ。


この時はただそれだけだった。
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