この手を離さない
「あの…、高崎さん」


シロのおもちゃを持ったまま、ポツリと真白が話しかけてきた。


「なに?」


「高崎さんもシロと一緒に遊びませんか?」


「えっ?」


意味が分からず目が点の状態な俺。


俺の反応を見て、あとから慌てて真白は言い続けた。


「ほらっ…いつも私ばかりシロと遊んでばかりだから…高崎さんもどうかな、って…」


はぁ…。


本当、掴み所がわからない子だな…。


ソファーから少し気怠い体を起こし、真白の方へと向かった。



真白と向かい合う状態で座った俺。


思えばこうして彼女と向かい合うのは初めてだなと気付いた。



「……」


「……」


何も話すことないまま、適当にシロと遊んでみた。


いつも真白がいない時はシロと遊んでいるから特別に何か思うこともなかった。
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