この手を離さない
きっと飽きたのだろう。



こんな30のオヤジの相手をするのが嫌になったに決まってる。



………。



いや、違う。



真白はそんな娘じゃない。



シロを引き取ったあの日の真白の瞳はすごく澄んでいて、素直な瞳をしていたから…。



俺の思い過ごしかも知れないけど、



そう思いたい。信じたい。



でも、十日も連絡が来てないのは事実。



何度も携帯の画面を見ては苛々が募るばかりだった。



俺はどうしたいのか、心の中で問いかける。



問い掛けても、



問い掛けても、



答えは一つだけしかない。



“ただ真白に会いたい”って……。



自分の頬を叩き、意を決した。



明日会いに行こう、と………
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