この手を離さない
急いで車から降り、タクシーが真白の家の前で止まるのを見た。



タクシーの扉が開き、降りて来たのは、



見間違うはずのない人。



「真白……」



俺はホッと胸を撫で下ろす。



少し歩くスピードを早め真白の元へと向かった。




家の門に手を伸ばしかけた真白は、そばに来た俺に気付いてくれた。



ものすごく驚いてる様子が見てわかる。



目を丸くして、軽く口に手なんて置いてさ……、



ホント…久しぶりだ。



驚きを隠せない真白に、



会えたことを嬉しく思ってる俺。



少しの間、話もしないまま互いの顔を見ていた。
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