この手を離さない
とりあえず、お互い車に乗った。



安全運転を心掛けて慎重に走る。



信号が赤になるたび止まっては、真白の様子を伺ってる俺。



真白もそのたび笑顔を見せてくれるけど、



俺は、会話のきっかけを 探していた。



「あのさ。」



「はい?」



「ひ、久しぶりじゃないか?何日振りだろうな?」



「すみません。全然連絡しなくて」



「いや、気にしなくて良いよ。今日も、たまたま通りかかっただけだし。」




何言ってるんだよ俺。




通りかかったなんて嘘ついてさ…。



本当は気になってるくせに。



どうして素直に言えないんだろう。



歳の差がそうさせてるのかな?



大人ぶってる自分が息苦しく思った。
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