この手を離さない
「高崎さん、さっきから気になってたけど、何処に行くんですか?」



またキョトンとした表情を俺に向けてくるし……。



「ごめん。特には決めてないんだ。と言っても、この時間ならそろそろ帰る時間だな。」




車の時計は夕方の5時を過ぎていた。



冬のせいか、外はもう薄暗くなり始めている。



車の進路を真白の家の方へと向けた。



「高崎さん。」



「ん?」



「今から私の行きたい所に付き合ってくれますか?」



「えっ?」




思ってもみない誘いに、俺は理由も聞かずただ真白のナビの通りに車を走らせた。
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