この手を離さない
オレンジの夕日が沈みかけてる…



うっすらと積もってる白い雪に反射してか、とても眩しい光。



目を閉じたくない、



この夕日が沈むまでは。



そのくらい印象的な夕日だった。



「ここ、私の好きな場所なんです…」



「夕日なんて何年振りに見たかな。すごく綺麗だね…」




二人は何も話さないまま
夕日だけを見ていた。



大きなビルも、



街中を歩いてる人も車も、



うるさい騒音も



目に入らない。感じない。



今は何もかもがちっぽけな街に見えた……。
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