この手を離さない

「迷惑…だったかな…？」



俺に話しかけられ、ハッと真白は我に返った様だった。



「いえ、そんなことはないです。だけど……」



「だけど…なに？」



「どうして私にこんなプレゼントしてくれたのかな？、って……。」



「携帯があると便利かな？って思ったから…。それに、女子高生はみんな持ってるんじゃないのか？友達とメールしたりさ。あんまり深い理由はないんだけど………」



会話が途切れた。



やっぱり、迷惑だったかな？



ぎこちない空気をさらに重い感じにする言葉を耳にした。



「私には携帯電話で話したり、メールする友達はいないから…。だからこれ返します……」



突き付けられた携帯を素直に受け取れない。



こうなるなんて思わなかった。



ショックだった……