この手を離さない
*崩れ落ちる現実*
〜〜〜〜♪



「あっ、真白からだ。」



ギターを持つ手が、今度は携帯を取る。



「もしもし真白?学校終わった?

――うん、…うん…、わかった、今行くよ。じゃ。」



短い会話だが、これが初めて真白の携帯からの電話だった―――。



遊び感覚で弾いてたギターを置き、シロに一言。



「久しぶりに真白連れて来るからな。」



“ニャー”と鳴くシロの声は、なんだか喜んでいるようだ。



キーケースを持ち、財布と携帯をジーンズのポケットへ入れ家を出る。



向かった場所は真白が通う高校―――だと思ったが、



真白の指定された場所は、学校から少し離れた公園。



まだ2月だから寒い。



学校で待つことを勧めたのに、真白は拒んだ。












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