この手を離さない
言われた場所の公園に着くと、真白は待っていた。



俺の車を見て、小走りで向かって来る。

その姿をフロント越しから見て思った。



真白の制服姿を見るのは初めてだな…



躊躇いもなく、助手席のドアを開け座る。

もうこの場所は自分の指定席かと思うくらい、真白の行動は自然だった。



制服姿の真白を見て、やはり十代なんだと改めて気付かされ、



そう思うと、普通に車に乗せる行為がイケナイ事をしてるんじゃないかと思ってきた。



隣を見ると幼さが残る笑顔を見せる真白。



なんだか自分一人だけが振り回されてる様で、俺は小さな溜息を吐いた―――






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