この手を離さない
すぐに車は最初の目的地、ペットショップへ向かった。



昨日真白と約束していたシロの首輪を買うために。


小さな店のわりに、店内は広く感じる。



たかがペットと軽く考えてた俺は、店の雰囲気に圧倒した。



「首輪だけでこんなに種類あるんだ…」



これだけあると迷うな。
迷っていたその時、俺の視界に不思議な物を見付けた。


「真白、なんでここに小さな服が置いてあるんだ?」



人形の服…か?



「高崎さん、その質問はわざとですか?」



わざとって…



マジで聞いたんだけど。



なんで真白は笑いを堪えてるんだ?



真剣に考えてる俺を余所に、真白が笑いながら答える。



「これ、犬が着る服ですよ?知りませんか?」



「え?これが?」



「高崎さん、ちょっと可愛いです!」



「!!!」



顔が赤く言葉が出てこない俺に、



しばらく真白は笑い続けた。



この頃自然と笑うようになった真白、
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