君のコトバただ信じていた…
それから二人は順調だった。
泰樹(タイキ)が一つ上で受験生
だった為高校の話をしたり
ひと気のないベンチで
いちゃいちゃしたり。
毎日のようにお互いの
学校が終われば連絡を取って
会ったりしていた。
それなりに幸せだった。
…でも何かが違った。
確かに泰樹と会っていると
落ち着く…。
でもそれだけだった。
ドキドキや緊張がなかった。
泰樹は気付いてたのかな。
いつもどこか悲しそうだった…


ごめん。


ダメみたい。


【ゆっくり惚れてく】


なんて考えが甘かった。

私は泰樹に甘えて
寂しさを満たしてもらって
ただ安らぎと落ち着きと
安心を求めていた
だけだったんだ。
今思えば《好き》って言葉
一度も言った事
なかったよね。
泰樹にはたくさんの言葉
もらったよ。
そのたび嬉しかった。
安心してた。

ごめんね。ドキドキして
あげられなくて…

ごめんね。悲しい顔ばかり
させて傷付けて…

泰樹がくれた想いと言葉は
冬の終わりを告げるように
はかなくそれでも綺麗に
消えていったね。

ううん。私が消したんだよね

最後の最後まで
私を責めなかった貴方は
最高の男だと思います。
好きになってあげられなくて
本当にごめんなさい。

たくさんのごめんなさい。
そして
たくさんのありがとう。

貴方に言いたい事は
昔も今もこれだけです。

幸せになって下さい。
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