君に染まる(前編)
そのおかげで先輩の腕の力がゆるみ、
あたしは先輩から解放された。
「どういうこと!?
あんな子と付き合うつもり!?」
「そんなの認めない!!!」
すごい勢いで獅堂先輩に言いよってる。
な、なんかよく分からないけど
助かった…。
今のうちに逃げよう…。
急いでその場から離れた。
「はぁ~~~~…」
大きなため息をついて机に顔をふせた。
あれから獅堂先輩に
ずーっとつきまとわれているあたし。
1日中逃げ回ったせいでくたくた…。
「大変そうだねー…」
楓ちゃんが笑いかけてくる。
「人事だと思って…」
「だって人事だもん」
鬼だ…この人鬼だ…。
「もうさあ、
いっそのこと彼女になっちゃえば?」