君に染まる(前編)
「…まあ、あえて言うなら、
創吾を嫌がる未央の態度かな」
「は?」
「創吾はモテるから
女の方から寄ってくるし、
嫌がられたことなんて無い。
だから自分を嫌がる未央が
珍しいんじゃない?」
そんな理由…。
「…いつになったら
飽きてくれますかね?」
「俺に聞かないでよ、
創吾じゃないんだから」
「そんな…」
「なんで嫌なの?
財閥の御曹司だし、イケメンだし、
一応いい男でしょ?
付き合って損ないじゃん」
「…どんなにいい男でも、
タイプじゃない人とは付き合えません」
肩をすくめてそう呟くと、
「ぷっ…あははははははっ!」
いきなり笑い出した先輩。
「はぁ…あんた本当おもしろいね」
…おもしろいこと、言ったっけ?
笑い続けてる先輩に首をひねる。
「かっこよくても
タイプじゃないから嫌なんだ?」
「はい…」