君に染まる(前編)
「ははっ、
そんなんじゃ一生つきまとわれるよ」
「い、一生!?」
「うん、一生」
そう言った芹澤先輩は
しばらくの間笑い続けていた。
そして、その言葉通り、
あたしは毎日のように
獅堂先輩につきまとわれている…。
「よぉ」
登校中も。
「未央」
休憩時間も。
「逃げんなっ」
昼休みも。
「おい、待てって!」
放課後まで…。
「てめぇ…なんで逃げるんだよ!」
正門を出た瞬間、
獅堂先輩に腕を掴まれた。
「は、離してください…」
「うるせぇ!ほら来い!」