君に染まる(前編)
「まじで犯人誰!?」
パンを片手にかなりご立腹の楓ちゃん。
「ってか、
なんで未央はそんなに落ち着いてんのよ」
「え?」
「くやしくないの?影でこそこそされて」
「それは…」
確かにくやしいけど…
誰がしてるのか分からない以上
どうすることも出来ないし…。
「ほんっとにムカつく!!!!!」
今にも怒りが爆発しそうな楓ちゃんの横で
お弁当をつついてると、
「百瀬さん」
同じクラスの女の子に呼ばれた。
「呼んでるよ」
そう言って指をさす方向には
教室の入り口に立つ4~5人の先輩。
…なんだろう?
不思議に思いながらも
席を立って先輩達に近づいた。
「あの…何か?」
「…百瀬未央さん、よね?」
「そう、ですけど…」