君に染まる(前編)
その言葉を聞くと先輩達はにこっと笑い、
「ちょっといいかしら?」
あたしの腕を掴んだ。
講堂裏に連れてこられたあたしは、
壁に追い込まれ、先輩達に囲まれた。
これ、もしかして…呼び出し…ってやつ?
あたし何かした…?
そんなことを考えていると、
1人の先輩が口を開いた。
「単刀直入に言うわ。
獅堂くんに近づかないで」
「…はい?」
「獅堂くんはみんなのものなの。
あなた1人のものじゃないのよ」
この先輩達…獅堂先輩のファン?
「Ⅰ類なんだから大人しくしてなさい。
創吾様にちょっかい出すなんて
生意気よっ」
そう言われたと同時に突き飛ばされ、
あたしは地面に倒れこんだ。
…っ!
手のひらに痛みが走る。
倒れたひょうしに
手のひらをすったみたい…。