君に染まる(前編)
「未央ちゃんにはちょっと大きいかな?
あたし達身長差あるし」
「あ…ありがとうございます」
「あと包帯も巻きなおしてあげるね。
それ、ひどい」
包帯を巻かれたあたしの手と足を指さし
眉間にしわを寄せた美紅先輩。
「俺の手当てにいちゃもんつけんな!!」
「あーもう…うるさいなあ!」
耳を押さえた美紅先輩は
声をあげる獅堂先輩と一緒に
外へ出て行った。
「あ、そこ座って?」
スカートをはいて
クローゼットの中から出たあたしは、
美紅先輩の指さすソファーに座った。
「あの…獅堂先輩は?」
「ああ。邪魔だったから追い出した」
笑いながらそう言うと、
あたしの手に巻かれてる包帯をはずした。
獅堂先輩とは違い、
慣れた手つきで包帯を巻いていく。
「創吾のファンに
いじめられてるんだって?」
突然の言葉に思わずびくっと反応した。
「どうしてそれを…」