君に染まる(前編)
「キスぅぅぅぅぅぅ!!??」
楓ちゃんの叫び声に登校中の周りの生徒の視線が私達に集まる。
「ちょっ…楓ちゃ…」
「は!?なんで!?意味分かんないんですけど!?」
楓ちゃんんは気にせず、けど少しだけ声のボリュームを落として更に続ける。
「わ、私だって分かんないよ…」
「先輩でしょ?どんな人?」
「えっと…顔は、かっこよかったかな…」
それ以外は…だらしない、という印象。
ネクタイはゆるゆるで、シャツも全部出してて、胸元のボタンは3つか4つ開いてた。
「なんか…ホスト?って感じだった」
「超かっこよさげじゃん」
「…私は苦手」
金髪、ピアス、ネックレス。
校則違反の塊って感じですごくチャラチャラしてた。
なんか問題児っぽかったし…これ以上関わりたくない。