君に染まる(前編)
「黙れ。俺が消させねぇ」
「…そんなの有りなんですか?」
「有りも無しも、決めるのは俺だ」
そんな無茶苦茶な…。
「とにかく、そういうことだ」
あたしの顔を覗きこみ、
「お前はもう俺の女だ。
諦めて言うこと聞け」
先輩は笑った。
そんな先輩にどきどきしてしまうこと。
顔をそらせないでいること。
その理由は…もう分かってる。
分かってるけど…
恥ずかしくて言えません…。
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