君に染まる(前編)
結局私への周りの視線は教室に着くまで変わらず。
「あ…来た!!」
「百瀬さん来たよ!!」
教室に入ろうとした私の周りをたくさんの女子が囲んだ。
「ちょっと、あなた何したの?」
「新入生のくせに生意気じゃない!?」
え…な、何?
急に怒鳴られて足がすくむ。
この人達のリボンの色…2年生と3年生の色だ。
「いきなり何?この子になんの用?」
質問攻めに合う私の前に立ち楓ちゃんが先輩たちを睨みつける。
「しらばっくれるつもり?Ⅰ類のくせに」
「あんた達Ⅲ類?」
先輩達を見渡す楓ちゃんは眉間にしわをよせた。
学科ごとに制服のデザインが少し違うから分かるんだ。
ここにいる人達はみんなⅢ類の先輩。
「さ、Ⅲ類の先輩が私になんの用ですか?」
堂々としてる楓ちゃんとは違い、おどおどしてしまう。
「あなたとはつり合わないのよ。今すぐ手を引きなさい」
…手を引く?…何から?