君に染まる(前編)
けどその直後、
「タバコ吸う人嫌いなんです!!」
その言葉に…力が抜けた。
それに気がついたのか
慌てて腕の中から抜け出す未央。
「あ、すみません…
でも、本当に無理なんです…
それじゃあ…」
それだけ言い残すと、走っていった。
残された俺は
力が抜けたようにその場にしゃがみこむ。
嫌い…って、言われた。
未央はたぶん、
俺じゃなくてタバコを吸う奴が嫌いって
言ったんだと思うけど…。
それでも…相当なダメージ…。
うわ…なんだ?この気持ち…。
胸が痛ぇー…。
「…嫌い…か」
思わず深いため息。
タバコが苦手、タバコを吸う奴が嫌い。
タバコ…吸ってたら嫌われる…
ってことか?
「あ、ちょっと創吾!」