君に染まる(前編)


「おい待て。
なんで酒までやめなきゃなんねぇんだよ」



「だって未央ちゃんは真面目ちゃんだよ?
そんな子が未成年なのに酒飲んでる男
好きになると思う?」



「それは…」



「今…17歳?
あと3年待てば飲めるんだから
今はこれで我慢我慢」



そう言って、
冷蔵庫の中から取り出した
オレンジジュースを差し出してきた。



少ししぶりながらも
素直に受け取った俺に、



「じゃあさ、イメチェンでもしちゃう?」



卓が楽しそうにそう言う。



「あ?」



「あー、徹底するならそれも有りかもね」



うなずく美紅。



俺を無視して話を進める2人に
思わずため息をついた。



髪の色を変えるだの、服装を直すだの…。



「しゃべり方も変えた方がいいかな?」



「このままだと未央ちゃん
びびりっぱなしだもんね」



こんなことまで…。



「ふざけんな。
なんでそこまでする必要があ…」


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