君に染まる(前編)
イメチェン!?
うぅ…まだ口の中が苦い…。
獅堂先輩にキスされてから、
未だにあたしの口の中には
タバコの味が広がっている。
苦くて、初めて感じる味。
本当は嫌で嫌でしょうがないけど…
そんなことどうでもよくなるぐらい
ドキドキしてしまう自分もいる。
この味が口の中に残っている間は、
先輩にされたキスの感覚が消えないから。
強引で、甘い、キスの感覚。
あんなに嫌だった先輩の強引さが
今では胸がきゅんとしてしまう。
…獅堂先輩が好きだから。
でも、気持ちを伝えるなんて
恥ずかしくてできない。
毎日のように会いに来てくれる先輩に、
今さら『好きです』なんて…
言えるはずがない。
けど…伝えることができないでいるのは
恥ずかしいからだけじゃない。
「いつ俺の女になんの?」
そう言ってくる先輩。
けど、