君に染まる(前編)
私のファーストキスを奪ったあの先輩が…私の席にえらそうに座ってる。
なんで?
もはやそれしか浮かばない私に「よっ」と軽い口調で近づいてくる。
私の目の前に立つとぺろっと舌をだした。
「これ」
「え?」
「ちょーーーーーー痛かったんだけど」
…………あ。
昨日、キスされた時に、思いっきり舌を噛んだのを思い出した。
「す…すみませんでした!本当にすみません!」
何度も頭を下げて必死に謝る私。
何も言わず私の肩に手を置いた先輩はニコッと不気味な笑みを浮かべた。
「謝って済むわけねぇだろ?」
グッと顔を近づけ。
「どう責任とってもらおうか?」
ゾッとするほど低い声でそう言った先輩に身震いをした。