君に染まる(前編)


「なんだよ、やっぱ地味か?この髪」



不満そうに髪を触る。



地味…なんて…そんなわけない…。



金髪の時はチャラチャラしてて
あたしの苦手なタイプだったけど…
それでもかっこよかった。



それが、茶髪。



金髪よりは地味かもしれないけど、
先輩のかっこよさはまったく変わらない。



むしろこっちの方が…あたしは好き。



金髪に目がいってしまう前よりも、
落ち着いた色のおかげで
先輩のかっこよさが
引き立っているような気がするから。



「ど、どうしたんですか?その髪…」



「イメチェンだとよ」



「イメチェン?」



「いいから中入れよ。そんでこっち来い」



うながされるままVIPルームに入り
先輩のあとに着いていく。



「これ見ろ」



そう言うと、
ソファーの近くに置かれている
小さな冷蔵庫を開いた。



中にはチョコやゼリーなどのお菓子類と、
ジュースやお茶などが入っている。



「あとこっちも」


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