君に染まる(前編)
振り返ると、
そこにいたのは優先輩だった。
「そんなんだから
創吾に飽きられるんだよ」
…え?
その言葉にあたしは固まった。
飽きられるって…。
「どういう意味ですか?」
あたしより先に楓ちゃんが口を開いた。
「創吾、会いに来ないでしょ?
もう未央に飽きたんだってさ」
「飽きた!?
あれだけつきまとっておいて!?」
「だから遊びでしょ?
からかいがいがあったんじゃないの?
まあ、元々創吾のタイプとは
かけ離れてたんだから
驚くことじゃないよ」
すらすらと出てくる言葉に
あたしはなにも言えない。
「そんなの…」
「あ、いたいた!」
楓ちゃんの言葉をさえぎった明るい声。
声が聞こえた方を見ると、
あたし逹の方へ笑顔で歩いてくる
美紅先輩と卓先輩がいた。
「未央ちゃん探したよー…
って、何この空気…」
そう言いながら
一瞬顔をしかめた美紅先輩は、