君に染まる(前編)
「お前、なんか勘違いしてねぇか?」
「かん…ちがい?」
「なんでこの俺が
わざわざ飽きた女の為に
髪の色変えなきゃなんねぇんだよ。
タバコも酒もやめてんだぞ」
「で、でも優先輩達が…」
「優達?」
ぴくっと眉を動かした先輩。
「…お前からかわれたんだろ。
あいつらそういうの好きだから」
「から…からわれた…?」
からかわれた…って、どういうこと?
「とにかく、気にすんな」
そう言って、
あたしの頭にぽんっと手を置いた。
それだけで、不安が消えていく…。
…あれ?
「じゃ、じゃあ、
どうして
会いに来てくれなかったんですか?」
「あ?」
「この5日間、
会いに来てくれませんでしたよね?
今までは
毎日のように来てくれてたのに…」
「何?そんなに俺に会いたかった?」