君に染まる(前編)
○4章
イニシャル
ジェットコースター…
ジェットコースター…
ジェットコースター…
絶叫マシン…
絶叫マシン…
絶叫マシン…
ジェットコースター…
ジェットコースター…
ジェットコースター…
足取りがふらふらなあたし。
そんなあたしの手をしっかりと握って
まだまだ乗る気満々の獅堂先輩。
事の始まりは昨日にさかのぼる…。
先輩に“好きだ”って言ってもらえて、
あたしも気持ちを伝えた。
そのまま先輩の香りに
包まれていたあたしは、
小さく口を開いた。
「星条の文化祭に
ジンクスなんてあったんですね」
「あ?ああ…俺も初めて知った」
「花火と同時にって
ロマンチックですよね」
そう言いながら顔を上げると、
先輩は眉間にしわをよせていた。
「そうか?ベタすぎるだろ」