君に染まる(前編)
「相当女ったらしらしいからね、獅堂先輩」
「え」
「女はとっかえひっかえ。部外者だろうと関係なく女を学校に連れ込むらしいよ」
何それ…。
「表向きは仲間達との溜まり場らしいけど、VIPルームは元々はその為に作らせたって噂あるみたい」
VIPルームを眺めてた楓ちゃんはにやっと笑い、妙に色っぽく私の耳元で囁いた。
「VIPルームの2階にベッドルームがあって、ふっかふかの大きなベッドであーんなことやこーんなこと…」
「あ、あーんなことや…こーんなこと?」
「ここの生徒にも入った人いるらしい」
「ベッドルームに?」
うなずく楓ちゃんに鳥肌が立った。
「未央も連れ込まれちゃうんじゃない?」
「え?や、やだ!」
「だって先輩言ってたじゃん。“これから楽しみだな、未央?”って。それってそういう意味でしょ?」
「そんな…」
そりゃ、舌を噛んだのは悪いと思ってるけど…元はと言えばあの人がキスなんてしてくるから…。