君に染まる(前編)


なんか、そんな風に言われると、
あたしとおそろいが嫌みたいな…。



「それに…これは首輪だから」



「く…びわ?」



思わず眉をしかめる。



「お前は俺の初めての女だ。
逃げねぇように繋いどかないとな」



「に、逃げるって…あたしそんなこと…」



「分かんねぇだろ。だから首輪」



しれっとそう言った先輩は、
手に持っていた"M"のネックレスを
再びあたしに差し出してきた。



「つけて」



「…え?」



ネックレスと先輩を交互に見ながら
言葉の意味を考える。



「…あ、あたしがですか!?」



「他に誰がいんだよ」



「でも…」



「ほら、早く」



手を差し出したまま頭を横に傾けた先輩。



ネックレスをつけやすいように
傾けてくれたんだとは思う、けど…
これって、前からつけろ…って意味?



「みーお」


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