君に染まる(前編)
ソファーに座りながら
あたしの手の中のネックレスを指差した。
「あ、これは…」
「…それ、創吾もつけてなかった?」
説明しようとした時、
背後から声が聞こえてきた。
振り返ると、
優先輩が眠そうな顔で立っている。
「創吾に貰ったの?これ」
あたしの側にしゃがみこみ、
ネックレスを見つめた。
「はい、昨日貰いました」
「ふーん…創吾がねぇ…」
「創吾がペアなんてすごいわね。
まあ、女の子にプレゼントってのも
画期的だけど」
「うん。
ってか…このアルファベット何?」
優先輩のその言葉に
美紅先輩もネックレスを見つめた。
「…"S"?未央ちゃんってSなの?」
「ち、違います!」
「じゃあ…創吾の"S"?」
あっさり当てた優先輩に、
戸惑いながら頷いた。
「創吾のネックレスは"M"だったから…
あれは未央か。なんか意味深だね」