君に染まる(前編)
「ついてますけど…」
「なら、創吾も同じ意味なんじゃない?」
同じ意味?
「それって…
創吾が未央ちゃんの
『ペット』ってこと?」
「うん。そうなる」
「ぷっ…あはははははっ!それ最高!」
優先輩の言葉に
美紅先輩がお腹を抱えて笑いだす。
その時、部屋に低い声が響いた。
「うるせぇ!!」
その場にいた人達が
一斉に視線を向ける。
そこには、
頭をかきながら螺旋階段を下りてくる
獅堂先輩の姿があった。
「あ、創吾くんおはよー」
笑顔で声をかける卓先輩に
獅堂先輩は顔をしかめる。
「おはよー、じゃねぇんだよ。
てめぇらがうるさくて
目ぇ覚めたじゃねぇか」
「目ぇ覚めたって…
あんた朝からずーっと寝てたじゃない」
「仕方ねぇだろ、眠いんだから」
そう言うと、
階段下に置いてあるカバンを掴んで
扉へと向かった。