君に染まる(前編)
しれっとそう言うと、
慣れた手つきで
服の上からブラのホックを
外してしまった。
「ちょ!?やっ…!!」
背中を壁に押さえつけ、
枕で体をガードする。
「未央~…」
あたしを呼ぶだるそうな声に、
思わず涙目になる。
「か、体の問題じゃなくて…
まだ付き合って3日目だし、
その…心の準備とか…」
「あ?んだよそれ」
「だから…
まだ早いんじゃないかなって…」
「早いも遅いも、
いつかはヤるんだから関係ねぇよ」
「先輩はそうでもあたしは違います!」
思わず口にした言葉に、
言った後で後悔する。
「ご、ごめんなさい…」
驚いて目を丸くする先輩から
目をそらした。
どうしよう…ウザイとか思われた?
飽きられちゃったかな…。
でも、どうしても無理…
こんなすぐにはできない…。
枕をぎゅっと抱きしめ黙っていると、
突然先輩が立ち上がった。