君に染まる(前編)
首をかしげるあたしの首元を
先輩は指差した。
「そこ、赤い」
「え!?」
慌てて首元を手で覆ったあたしは、
昨日のことを思い出す。
先輩がブラのホックをつけてくれた時…
まさかあの時にこれを?
今までこの存在に気づかなかったことに
恥ずかしさがこみ上げてくる。
「どうだった?創吾とのセックスは」
「セッ……え?」
「何その反応。
昨日創吾の家行ったんでしょ?」
「い、行きましたけど…
何もしてません!」
「…何も?」
顔が赤くなるのを感じながらも
必死にうなずいて否定する。
「なんだ、愛されてるね」
「愛されてる…?」
「キスマークは束縛の印。
それに、
家まで連れ込んで未遂で終わるなんて
今までの創吾じゃ考えられないもん。
大事にされてる証拠でしょ」
大事にされてる…。
"抱こうと思えば今すぐ抱けるけど…
無理やり抱いてお前が泣いたんじゃ、
いい気分しねぇからな"