君に染まる(前編)
「あ、はい」
ほっぺに手をあてたまま軽く頭を下げ、
生徒会の人達のとこへ戻る植野先輩を
じっと見つめた。
あたし…今顔赤いよね?
っていうか、体全体が熱いよ…。
荷物を持ち、
幸せな気分に浸りながら会議室を出た。
「遅ぇ」
足元から聞こえてきた声。
嫌な予感…。
ゆっくり顔を下げると
会議室の前で壁にもたれて座り込んでる
獅堂先輩がいた。
「きゃあ!」
「おい、人の顔見て叫ぶな」
先輩があたしを睨みあげる。
「す、すいませ…きゃっ」
な、何!?
いきなり立ち上がった先輩は
あたしは担ぎ上げられた。
「降ろしてください!」
「暴れんな、パンツ見えるぞ」
そう言ってあたしの足を抑えつけた。