君に染まる(前編)


どんなに暴れても先輩は降ろしてくれず、
とうとうVIPルームの中へ。



な…何この部屋…。



高級そうな物ばかりが並ぶ
煌びやかな部屋は、
見てるだけでめまいがしてくる。



ここ…本当に学校の敷地内?



呆然とするあたしをよそに
先輩は螺旋階段で2階へあがった。



“2階にベッドルームがあって…”



楓ちゃんの情報網は正しい…。



ようやく降ろしてもらえた場所は
大きなふっかふかのベッド。



慌ててベッドから降りようとすると、



「逃げんな」



腕を掴まれすごい力で引き寄せられた。



そのまま押し倒される。



「さて…何してやろうか?」



ぞくっ



あたしにまたがる先輩の目つきが
変わった。



初めて会った時と同じ…獣みたいな目。



「な…何もしないでいいです」



「あ?」


< 30 / 337 >

この作品をシェア

pagetop