君に染まる(前編)
どんなに暴れても先輩は降ろしてくれず、
とうとうVIPルームの中へ。
な…何この部屋…。
高級そうな物ばかりが並ぶ
煌びやかな部屋は、
見てるだけでめまいがしてくる。
ここ…本当に学校の敷地内?
呆然とするあたしをよそに
先輩は螺旋階段で2階へあがった。
“2階にベッドルームがあって…”
楓ちゃんの情報網は正しい…。
ようやく降ろしてもらえた場所は
大きなふっかふかのベッド。
慌ててベッドから降りようとすると、
「逃げんな」
腕を掴まれすごい力で引き寄せられた。
そのまま押し倒される。
「さて…何してやろうか?」
ぞくっ
あたしにまたがる先輩の目つきが
変わった。
初めて会った時と同じ…獣みたいな目。
「な…何もしないでいいです」
「あ?」