君に染まる(前編)


「噛んだことと引っ掻いたことは
違う方法でお詫びしますので…」



だから…何もしないで!



「ふーん…違う方法?」



必死にうなずく。



「何してくれんの?」



「え…」



「別に俺欲しいもんねぇし、
Ⅰ類のお前に俺の欲しいもんなんか
用意できねぇだろ?」



「それは…」



「だから体でわびろ」



「は!?」



「おわびしてくれんだろ?
だったら俺の言うこと聞けよ」



「待っ……っ…」



あたしの唇をふさぎ、
慣れた手つきで
ブレザーのボタンをはずしていく先輩。



やだ…やだ…誰か助けて!



心の中でそう叫んだ時、
ベッドルームのドアが開いた。



「…あれ?お楽しみ中?」



「…あ?なんだよ邪魔すんな」



唇を離し、ドアの方を振り返る先輩。


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