君に染まる(前編)
体を起こし、着ていたTシャツを脱いだ。
え?え?え?
突然のことにパニックになるあたし。
そんなことは気にもせず、
先輩はそのままあたしに覆いかぶさった。
「…んな顔すんなよ」
「え…」
「つーか、そんな顔でそんなこと…
優しくできるわけねぇだろ…」
苦しそうに顔を歪めた先輩は、
あたしが理解するより早く唇をふさいだ。
優しくできない、と言ったとおり、
先輩のキスは息ができないほど強引で…。
だけど、
あたしの手を包む先輩の手は
すごく温かい…。
やっぱり…すごく怖い、けど…。
手から伝わる温もりを感じながら、
あたしは身をゆだねた。
…大好きな先輩に。