君に染まる(前編)
真っ赤になって、視線を泳がせて…。
ま、そうなるって分かってて
ワザと言うのもおもしろい。
そういう時の未央、すげえ可愛いし。
でも、それより今は…。
「もう1回する?」
「なっ!?」
俺の言葉に目を見開いて
口をパクパクさせる未央。
かまわず顔を近付けると、
「やっ、ちょっ…待っ……っ!?」
勢いよく後ろに下がった未央は
そのままベッドから落ちた。
慌てて起き上がると、
一緒に落ちた布団の端で体を隠す。
「今さら隠す必要ねぇだろ。
全部見たんだから」
「そういう問題じゃないですっ…」
今にも泣き出しそうな顔で
乱れた髪を整える。
髪より体隠すのが先って…。
「俺に裸見られんのそんなに嫌?」
「…どうしてすぐ
嫌か聞いてくるんですか?」
不快そうに顔をしかめた未央は、
窓の外に視線をうつした。