君に染まる(前編)


「あ…あたし帰ります。
シャワー借りてもいいですか?」



慌てた様子で立ち上がる。



そんな未央の腕を掴み引っ張った。



「きゃっ…」



バランスを崩した未央が
ベッドに倒れこむ。



「泊まってけって」



「でも…」



「いいから…ほら、入れよ」



布団を少しめくり、
中に入るよううながす。



その瞬間、未央の顔がまた赤くなった。



「や、やっぱり帰ります!」



そう言って立ち上がろうとするけど、
俺が腕を掴んでるせいで
その場から動けない。



「離してくださいっ…」



「泊まってくよな?」



笑顔でそう言う俺に小刻みに顔を振る。



「アニキには
俺がちゃんと説明してやるから」



「そ、そんなこと頼めません!
説明ならあたしがしますから、
だから離してくだ…」



「やだ」


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