君に染まる(前編)
「『なんですか』じゃなくて
『創吾が好き』だろ?言ってみ、ほら」
「いや、そういう意味で言ったんじゃ…
っていうか、急にそんなこと、言え、
言えません…」
「さっきは言えたのに?」
「え?…あ…あれはタメ口じゃ…」
「『です』取ればいいだけだろ?
聞きてぇな、未央のタメ口告白」
からかい混じりでそう言うと、
未央は小刻みに顔を振った。
「じゃあ呼び捨て。『創吾』って、ほれ」
「……………そ……そ……そ……
そ、そ、創吾、先輩……」
「なんだそれ」
思わず吹きだした俺に
未央は顔をしかめた。
「そんなに難しい?」
「はぃ……」
「そっかそっか、
じゃあ『創吾先輩』で許してやるから…」
掴んでいた腕をぐいっと引っ張った。
その反動で、
布団を握りしめていた未央が
ベッドに滑り込んでくる。
「…もう1回しよっか?」
「え!?や、ちょっ…」