君に染まる(前編)


「日曜ですか?」



「ひまならどっか行かない?
久しぶりに会ったんだし、
未央ちゃんの入学祝いも兼ねて」



…え?



一瞬耳を疑った。



あたし…誘われてる?



頭がうまく回転せず、
なにが起こってるのかよく分からない。



それでも必死に口を開いた。



「ひ…ひまです!行きます!」



「良かった。じゃあ、連絡する」



そう言って携帯をちらつかせた植野先輩は
生徒会室に入って行った。



…これって、デート?



デートなのかな?



植野先輩とデート…。



…夢…じゃ、ないよね?



不安に思い、
一応ほっぺたをつねってみる。



…痛い……夢じゃない!



「…おい」



「え?あ…」



1人で興奮していたあたしの顔を
獅堂先輩がのぞき込んできた。


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