君に染まる(前編)
「制服姿しか見たこと無かったから
私服姿ってなんか新鮮だな…」
少し照れながらそう言う先輩。
あたしと同じこと…。
嬉しくてつい口元がゆるむ。
「じゃあ行こっか?」
「あ、はい」
歩き出す先輩について行った。
しばらくして映画館に着いた。
先輩が券を買ってくれて中に入る。
席に着いた時、
Plululu~♪
先輩の携帯が鳴った。
「あ…未央ちゃんごめん、
ちょっと外出てくる」
慌てて携帯を取り出した先輩は
そう言って外へ出ていった。
席の前にあるフックにカバンをかけた時、
「絶対女だな」
後ろから聞こえてきた声に
勢いよく振り向いた。