君に染まる(前編)

表と裏



次の日の朝。



学校に着いたあたしは
真っ先にVIPルームに向かった。



遠慮がちに扉を開くと
ソファーに座ってくつろいでる
芹澤先輩達が目に入った。



「あの…」



「あ、未央ちゃんだ」



最初にあたしを見つけた卓先輩が
駆け寄ってくる。



「どうしたの?」



「あの…獅堂先輩は…」



「創吾くんなら2階だけど…」



「すいません、おじゃまします」



頭を下げ、勝手に部屋の中に入った。



「あ、ちょっ…今は…」



卓先輩の止める声も気にせず
螺旋階段を上がり
ベッドルームのドアを開けた。



「失礼しま…」



部屋に入った瞬間
目に飛びこんできた光景。



獅堂先輩と女の人が
ベッドの上でキスをしてる。



「きゃっ」



慌ててドアを閉めた。


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