君に染まる(前編)
「だって、あんたの性格上そうでしょ?
拒否られたままじゃ
ナルシストのプライドが
ズッタズタだもん」
「そっか、
今まで拒否られたこと無いもんね、
創吾くん」
美紅の言葉に納得する卓。
こいつらは俺の性格をよく知ってる。
ナルシストってやつは
よく分かんねぇけど、
このままじゃ
俺のプライドが許さないのは確か。
…舌を噛むなんて前代未聞。
絶対許さねえ…あの女…。
百瀬未央。
…まじでムカつく。
この俺がわざわざ
会いに行ってやってるのに…。
俺の腕をひっかくは、
俺を見た瞬間叫ぶわ、
部屋に連れこめばまた拒否るわ…
こんな女初めてだ。
「…あの子天然?」
美紅に邪魔されて不機嫌な俺に
そう聞いてくる卓。
「『助けていただいて
ありがとうございました』って…変な子」
「でもさ?可愛い子だよね。
なんか清純って感じ?
汚れを知らなさそう」